相続による空き家の注意点

相続による空き家の注意点!

第1.空き家を取り壊すと固定資産税は6倍になります。

 

現在、住宅の敷地の固定資産税は軽減規定が適用され、住宅1戸につき200uまで固定資産税は6分の1になります。この敷地上の住宅を取り壊すと固定資産税は6倍に跳ね上がります。

 

そのため、相続が発生して空き家となったにもかかわらず、相続人が建物を取り壊さずに放置するケースが急増しています。

 

そのような空き家の中には、豪雪地帯での倒壊の危険がある空家や、大都市の木造密集地域の防犯・火災の危険がある空家、ゴミ屋敷となって近隣の生活環境を著しく損なう空き家などがあり、近年、大きな社会問題となっています。

 

上記の問題に対処するため、空き家対策特別措置法が施行されました。この対策法では、1年間にわたり使用されていない空き家であって、倒壊の危険、衛生上有害、著しく景観を損なう等問題がある空家に対し、一定の指導や、固定資産を6倍にする勧告や、命令などを行うことができ、従わなければ行政が所有者に代わって建物を解体することができるようになりました。

 

秋田県大仙市では、雪で倒壊の恐れがある空き家の解体を所有者に代わって行いました。この解体費用178万円は、所有者が負担することになります。仮に所有者が払わない場合には敷地を競売にかけて回収することになります。

 

今後、大都市圏では、昭和40年代から50年代にかけて東京近郊で分譲された駅から距離のある戸建て住宅地の空き家が相続等を理由に急増することが予想されています。また、東京下町の木造密集市街地狭小住宅でも相続を契機とした空き家が増えています。

 

今後、空き家の増加に伴って、行政による指導、勧告、命令、代執行(所有者に代わって解体)等の事例が増えることが予想されます。

 

 

第2.空き家対策措置法とは?・・長年放置された空き家の相続人は注意が必要です。

 

平成27年5月6日、全国で社会問題となっている長年放置された空き家の減少を目的とした「空き家対策特別措置法」が全面施行されました。今後は、長年放置され倒壊の危険やその他の問題がある空き家に対して、自治体による勧告・指導・代執行(行政が代わりに解体するなど)が可能となり、また「土地の固定資産税の減額措置の不適用」が可能となりました。

 

この空家対策特別措置法では、倒壊の危険がある空家や、ゴミ屋敷等となり衛生上問題がある空家を、自治体が「特定空家」に認定し、所有者に対して除去、改善等の指導や勧告ができるようになり、また一定の場合には自治体が所有者に代わって強制執行により撤去することも可能になります。

 

また、所有者が自治体の指導に応じず、勧告に至る場合には、土地の固定資産税の減額特例が適用されなくなります。

 

相続により実家が空家となり長年放置している場合など、今後は「特定空家」に認定されないよう、また近隣住民に迷惑を掛けないよう注意と対策が必要となります。

 

【特定空家の主な判断の基準は以下のとおりです。】

 

1.建物の傾きが20分の1を超える。
2.屋根が落ちそう、ベランダが傾いているなど。
3.窓ガラスが割れたままになっている。
4.木が建物を覆うほど生い茂っている。
5.ゴミが放置されており、衛生上問題がある。
6.建物がシロアリに浸食されているなど。

 

 

第3.「特定空家に対する措置」に関するガイドラインの概要

 

(抜粋)

 

第3章 特定空家等に対する措置

 

1.適切な管理が行われていない空家等の所有者の事情の把握

 

2.「特定空家等に対する措置」の事前準備

 

(1)立ち入り調査

 

・明示的な拒否があった場合に、物理的強制力を行使してまで立入調査をすることはできない。
・空家等を損壊させるようなことのない範囲内での立入調査は許容され得る。

 

(2)データベースの整備と関係部局への情報提供

 

・税務部局に対し、空家等施策担当部局から常に「特定空家等」に係る最新情報を提供

 

(3)特定空家等に関係する権利者との調整

 

・抵当権等が設定されている場合でも、命令等を行うに当たっては、関係権利者と必ずしも調整を行う必要はない。

 

4.特定空家等の所有者等への勧告

 

(1)勧告の実施

 

・固定資産税等の住宅用地特例から除外されることを示すべき。

 

5.特定空家等の所有者等への命令

 

(1)所有者等への事前の通知
(2)所有者等による公開による意見聴取の請求
(4)命令の実施 命令は書面で行う。
(5)標識の設置その他国土交通省・総務省例で定める方法による公示

 

6.特定空家等に係る代執行

 

(6)費用の徴収

 

7.過失なく措置を命ぜられるべき者を確知することができない場合

 

(4)費用の徴収

 

・義務者が後で判明したときは、その者から費用を徴収できる。

 

8.必要な措置が講じられた場合の対応

 

・所有者等が、勧告または命令に係る措置を実施し、当該勧告または命令が撤回された場合、固定資産税等の住宅用地特例の要件を満たす家屋の敷地は、特例の適用対象となる。

 

 

第4.「特定空家」の判断の参考となる基準(例示)

 

(別紙1)そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
1.建築物が著しく保安上危険となるおそれがある。
(1)建築物が倒壊等するおそれがある。
 イ 建築物の著しい傾斜
  ・基礎に不同沈下がある
  ・柱が傾斜している
 ロ 建築物の構造耐力上主要な部分の損傷等
  ・基礎が破損または変形している
  ・土台が腐朽または破損している
(2)屋根、外壁等が脱落、飛散するおそれがある。
  ・屋根が変形している
  ・屋根ふき材が剥落している
  ・壁体を貫通する穴が生じている
  ・看板、給湯設備等が転倒している
  ・屋外階段、バルコニーが腐食、破損または脱落している
2.擁壁が老朽化し危険となるおそれがある。
  ・擁壁表面に水がしみ出し、流出している

 

 

(別紙2)そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

 

(1)建築物または設備等の破損が原因で、以下の状態にある。
 ・吹き付け石綿等が飛散し暴露する可能性が高い状況である。
 ・浄化槽等の放置、破損等による汚物の流出、臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。
 ・排水等の流出による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている。

 

(2)ごみ等の放置、不法投棄が原因で、以下の状態にある。
 ・ごみ等の放置、不法投棄による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に影響を及ぼしている。
 ・ごみ等の放置、不法投棄により、多数のねずみ、はえ、蚊などが発生し、地域住民の日常生活に影響を及ぼしている。

 

(別紙3)適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

 

(1)適切な管理が行われていない結果、既存の景観ルールに著しく適合していない状態となっている。
 ・景観法に基づき景観計画を策定している場合において、当該景観計画に定める建築物または工作物の形態意匠等の制限に著しく適合していない状態となっている。
 ・地域で定められた景観保全に係るルールに著しく適合しない状態となっている。

 

(2)その他、以下のような状態にあり、周囲の景観と著しく不調和な状態である。
 ・屋根、外壁等が、汚物や落書きなどで外見上大きく痛んだり汚れたまま放置されている。
 ・多数の窓ガラスが割れたまま放置されている。
 ・立木等が建築物の全面を覆う程度まで繁茂している。

 

(別紙4)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
(1)立木が原因で、以下の状態にある。
 ・立木の枝等が近隣の道路等にはみ出し、歩行者等の通行を妨げている。
(2)空家等に住みついた動物等が原因で、以下の状態にある。
 ・動物のふん尿その他の汚物の放置により、臭気が発生し、地域住民の日常生活 に支障を及ぼしている。
 ・シロアリが大量に発生し、近隣の家屋に飛来し、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある。
(3)建築物等の不適切な管理が原因で、以下の状態にある。
 ・門扉が施錠されていない、窓ガラスが割れている等不特定の者が容易に侵入できる状態で放置されている。 等

 

司法書士・不動産コンサルタント 高良 実

 

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