公正証書遺言 | 相続のご相談は相続専門事務所のみなみ司法書士合同事務所

公正証書遺言とは、法務大臣から任命された法文書作成のプロである『公証人(こうしょうにん)』が遺言者から遺言の趣旨の口述をもとに遺言書を作成し、その遺言書の原本を公証人が保管するという最も「安全」「確実」な遺言書です。

 

遺言者は、遺言者が選んだ証人2人以上を立会人として、公証人の面前で口述します。

 

公証人は遺言者が口頭で述べた遺言の内容を正確に文章化し、遺言者と証人が確認した後、遺言者、証人、公証人が署名・押印すれば公正証書遺言が完成します。


公正証書遺言の作成手順

 

1.公正証書遺言作成に関する事前のご相談

 

※遺産や相続人の状況をお聞きし、遺言・相続についてご相談します。
※必要があれば、相続問題に詳しい税理士と協力しながら遺言(案)をご提案いたします。

 

     

 

2.必要書類の取寄せ

 

※公正証書遺言作成の必要書類(遺言者の印鑑証明書・戸籍謄本、受遺者の戸籍謄本・法人の登記簿謄本(会社等の法人に遺贈する場合)、財産特定のための不動産の登記簿謄本・固定資産評価証明書、預金通帳のコピー等)を準備します。

 

     

 

3.公正証書遺言の原案の作成

 

※相続税の問題、各相続人の遺留分、事業承継問題など諸般の事情を考慮しながら原案を作成します。

 

     

 

4.公証人との事前打ち合わせ

 

※遺言の内容および必要書類について、事前に公証人と打ち合わせをし、公正証書遺言の作成日を決めます。

 

     

 

5.公正証書遺言の作成

 

※公証人役場において公正証書遺言を作成いたします。なお、証人には当事務所の守秘義務を負う司法書士及び行政書士がなりますので、遺言の秘密が漏れることは決してありません。

 

※作成された公正証書遺言の原本は、20年間又は遺言者が100歳に達するまでのどちらか長い期間、公証人役場に保管されます。

 

※公証人役場まで出向けない場合は、公証人に出張を依頼することも可能です。

 

※作成された公正証書遺言は、相続発生後、各相続人が検索することができます。この検索は、全国どこの公証人役場からでもすることができます。

公正証書遺言の見本

 

平成23年第1号

 

  公正証書遺言

 

本職は、遺言者鈴木浩三の嘱託により、証人高良実、同石戸香代子の立会いをもって、次の遺言の趣旨の口授を筆記し、この証書を作成する。

 

1 遺言者は、遺言者の妻鈴木洋子(昭和○○年○○月○○日生)に対して次の遺産を相続させる。

 

(1)所 在  千代田区神田4丁目
   地 番  14番4
   地 目  宅地
   地 積  100.00u

 

(2)所 在  千代田区神田4丁目4番地
   家屋番号 14番4号
   構 造  木造瓦葺2階建
   床面積  1階 78・22平方メートル
        2階 78・22平方メートル

 

(3)上記家屋内の家財・家具・現金その他一切の財産

 

2 遺言者は、遺言者の長男鈴木一郎(昭和○○年○○月○○日生)及び次男鈴木二郎(平成○○年○○月○○日生)に各金2000万円をそれぞれ相続させる。

 

3 遺言者は、以上を除く残余の財産全てを妻鈴木洋子に相続させる。

 

4 遺言者は、先祖の祭祀を主宰すべき者として、長男鈴木一郎を指定する。

 

5 遺言者は、この遺言の執行者として、次の者を指定する。

 

  住 所 東京都墨田区錦糸四丁目4番4号
  職 業 司法書士
  遺言執行者 高良実(昭和43年8月30日生)

 

6 付言
  最後に、これからは、一郎と二郎が母をいたわり守っていくように。家業がますます発展し、家族が仲良く幸せに暮らしていけるよう心から祈っています。

 

  以上

 

本旨外要件

 

東京都千代田区神田3丁目3番3号
無職
遺言者 鈴木浩三
昭和25年3月3日生

 

上記は、印鑑証明書の提出により人違いでないことを証明させた。

 

東京都墨田区錦糸4丁目14番4号
司法書士
証 人  高良 実
昭和43年8月20日生

 

東京都墨田区錦糸4丁目14番4号
行政書士
証 人  石戸 香代子
昭和42年3月17日生

 

上記遺言者及び証人に読み聞かせたところ各自筆記の正確なことを承認し、次にそれぞれ署名押印する。

 

遺言者 鈴木 浩三  印
証人  高良 実   印
証人  石戸 香代子 印

 

この証書は民法第969条第1号ないし第4号の方式により作成し、同条第1号ないし第4号の方式により作成し、同条第5号に基づき本職次に署名押印する。

 

平成23年1月15日本職役場において

 

東京都千代田区神田3丁目5番9号
東京法務局所属

 

公証人 本多 誠一郎 印

 

公正証書遺言の公証人費用

 

公正証書遺言の作成手数料は、法令によって下記のとおり定められています。

 

目的となる財産の価格 手数料

 

1 100万円以下 5000円

 

2 100万円超〜200万円以下  7000円

 

3 200万円超〜500万円以下  1万1000円

 

4 500万円超〜1千万円以下   1万7000円

 

5 1千万円超〜3千万円以下    2万3000円

 

6 3千万円超〜5千万円以下    2万9000円

 

7 5千万円超〜1億円以下     4万3000円

 

8 1億円超〜3億円以下
  4万3000円に超過額5千万円までごとに1万3千円を加算

 

9 3億円超〜10億円以下
  9万5千円に超過額5千万円までごとに1万1千円を加算

 

10 10億円超
  24万9千円に超過額5千万円までごとに8千円を加算

 

目的財産の価格を算定できない場合は、目的価格は500万円とみなされます。

 

相続人や受遺者が複数ある場合は、各人が受ける価格によってそれぞれ計算されます。

 

公証人が出張して公正証書遺言を作成する場合には、手数料の額に10分の5の額が加算されます。

 

遺言の目的財産の合計額が1億円以下の場合には、1万1千円が加算されます。

 

上記及び下記の合計額が公正証書遺言の作成手数料となります。

法令

 

民法969条(公正証書遺言)

 

公正証書によつて遺言をするには、次の方式に従わなければならない。

 

@証人2人以上の立会いがあること。
A遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
B公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
C遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を附記して、署名に代えることができる。
D公証人が、その証書は前4号に掲げる方式に従つて作つたものである旨を附記して、これに署名し、印をおすこと。

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