相続税の改正(平成27年1月1日より下記のとおり改正されました。)
平成27年 第1号
1.相続税の基礎控除(40%引下げ、増税)
3000万円+600万円×法定相続人の数
2.相続税率の引き上げ(増税)
〜1000万円・・・10%
1000万円〜3000万円・・・15%
3000万円〜5000万円・・・20%
5000万円〜 1億円・・・30%
1億円〜 2億円・・・40%
2億円〜 3億円・・・45%(5%増税)
3億円〜 6億円・・・50%
6億円〜 ・・・55%(5%増税)
3.小規模宅地の特例の適用拡大
居住用宅地の特例の面積拡大
240u → 330u(80%評価減)(減税)
特定事業用宅地と居住用宅地の併用可能
330u + 400u =730u(80%評価減)(減税)
二世帯住宅でも小規模宅地の適用可能(平成26年1月1日〜)
老人ホーム入居でも小規模宅地の適用可能(平成26年1月1日〜)
上記のとおり、平成27年1月1日より、相続税が大幅に増税となりました。これまで相続税がかかる人は全国平均で4%程度でしたが、この改正で、全国平均で6%東京およびその近郊では、9%近くになることが予想されています。
但し、贈与税や小規模宅地の特例は緩和され、使いやすくなっていますので、これらの制度をよく理解し、上手に活用することがより大切になっています。
平成25年度税制改正(平成25年3月)
平成25年度税制改正法案が3月4日に国会に提出され、3月29日に可決成立しました。
相続税に関する主な改定点は以下のとおりです。
1.相続税の基礎控除の引き下げ (平成27年1月1日〜)
改正後 3000万円+600万円×法定相続人の数
2.相続税率の引き上げ (平成27年1月1日〜)
改正後
〜1000万円・・・10%
1000万円〜3000万円・・・15%
3000万円〜5000万円・・・20%
5000万円〜 1億円・・・30%
1億円〜 2億円・・・40%
2億円〜 3億円・・・45%(5%UP)
3億円〜 6億円・・・50%
6億円〜 ・・・55%(5%UP)
3.小規模宅地の特例の適用拡大
居住用宅地の特例の面積拡大
240u → 330u(80%評価減)(平成27年1月1日〜)
特定事業用宅地と居住用宅地の併用可能
330u + 400u =730u(80%評価減)(平成27年1月1日〜)
二世帯住宅でも小規模宅地の適用可能(平成26年1月1日〜)
老人ホーム入居でも小規模宅地の適用可能(平成26年1月1日〜)
4.未成年者控除および障害者控除の引き上げ(平成27年1月1日〜)
改正後
未成年者控除 20歳までの1年につき10万円
一般障害者控除 85歳までの1年につき10万円
特別障害者控除 85歳までの1年につき20万円
なお、平成23年度税制改正案で検討されていた生命保険金の非課税の見直し(同一生計等要件)は平成25年度の改正では織り込まれませんでした。
よって、改正されるまでは現行通りになります。
※緊急のお知らせ!(25年1月19日掲載)
平成25年1月18日、自民、公明、民主3党により所得税・相続税の増税(案)が大枠で合意されました。この増税案は下記に紹介している民主党政権時代に策定された税制改正大綱をほぼそのまま反映した内容となっています。
この相続税の増税(案)が施行されると、現在、100人死亡のうち4人しか課税されていないところが、改正後は6人が課税されることになります。また、地価の高い首都圏では20人を超えるとの見通しです。
詳細についてはまだ不明ですが、おおよそ下記のような内容になるものと思われます。(確定後に再度、お知らせいたします。)
1.最高税率の引き上げ(相続税)
〜1000万円・・・10%
1000万円〜3000万円・・・15%
3000万円〜5000万円・・・20%
5000万円〜 1億円・・・30%
1億円〜 2億円・・・40%
2億円〜 3億円・・・45%(5%UP)
3億円〜 6億円・・・50%
6億円〜 ・・・55%(5%UP)
2.基礎控除の引下げ(相続税)
現行の基礎控除 5000万円+法定相続人の数×1000万円
改正後 3000万円+法定相続人の数× 600万円(約40%縮小)
※相続(予定)財産の額が、改正後の基礎控除額を超える方は、相続税の試算および対策を検討されることをお勧めします。
3.その他
小規模宅地の特例の拡大・・・非常に重要な制度です。要件に注意して下さい。
死亡保険金の一部非課税の拡大 など
(平成24年10月掲載分)
現在、相続税の増税が検討されています。当初の計画では、平成23年4月1日以降の相続から増税後の相続税が課せられる予定でしたが、ねじれ国会等の影響により、相続税関連法案の審議は見送られていました。
しかし、平成24年度税制改正大綱に、「税制抜本改革における“相続税の増税の”実現を目指します。」との記載が盛り込まれましたので、今後、下記にご紹介するような改正案が本格的に議論・検討されることになります。
なお、この改正案には、「この改正は平成27年1月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産にかかる相続税について適用する。」と記載されていますので、早ければ24年度中に、この増税案が成立することもあるかと思います。
今回の相続税の増税案は、これまで多額の相続税を負担してきた富裕層ではなく、相続税を負担してこなかった中流層がターゲットにされており、改正後は、自宅と少しの預金や生命保険でも家族構成等によっては相続税が課税される可能性があります。
※東京など地価が高い一部の地域では、相続税の納税者義務者がこれまでの3〜4倍になると予想されています。特に、「父親が亡くなった後に、母親が死亡し、小規模宅地の適用がない相続のケース」では、相続財産が5000万円程度でも数百万円の相続税がかかる可能性がありますので改正の動向には十分な注意が必要です。
残された家族が相続税で苦しむことがないよう、相続税に関する正しい知識を持つことが、今後ますます重要になってきています。
相続税の増税 その1
基礎控除額の引下げ
相続税は、財産を相続した全ての人にかかるのではなく、課税される相続財産の額が基礎控除を超える場合にだけかかります。
平成24年2月現在、基礎控除の額は、5000万円+法定相続人×1000万円です。よって、相続財産が基礎控除以下の場合、相続税の納税・申告の必要はありません。
例えば、
相続人が配偶者と子供3人の場合の基礎控除は、
5000万円+(4人×1000万円)=9000万円
相続人が配偶者と、被相続人の兄弟4人の場合の基礎控除は、
5000万円+(5人×1000万円)=1億円 となります。
今回の相続税の増税(案)では、この基礎控除を3000万円+法定相続人×600万円に引下げる(縮小する)改正となっています。
今回の相続税の増税(案)によると、例えば、
相続人が配偶者と子供3人の場合の基礎控除は、
3000万円+(4人×600万円)=5400万円
相続人が配偶者と、被相続人の兄弟4人の場合の基礎控除は、
3000万円+(5人×6000万円)=6000万円
となり、現行の基礎控除額と比較すると、じつに約40%もの大幅な引下げ(相続税の増税)となっています。
今回の相続税の増税(案)がそのまま施行されると、
相続人が配偶者と子供3人の場合、現行法では相続財産が9000万円までは相続税がかからなかったのが、改正後は5400万円から相続税の課税対象となってしまうことになります。
また、相続人が配偶者と、被相続人の兄弟4人の場合、現行法では相続財産が1億円までは相続税がかからなかったのが、6000万円から相続税の課税対象となってしまうことになります。
※相続予定財産が上記相続税の増税(案)による基礎控除額を超えている場合は、改正動向に注意するとともに、相続税の試算、対策等を検討されることをお勧めします。
相続税の増税 その2
生命保険の非課税枠の縮小
現行法では、生命保険金を法定相続人が取得した場合、法定相続人×500万円の額が非課税とされてます。
例えば、相続人が配偶者と子供3人の場合、4人×500万円=2000万円が非課税となります。
ところが、今回の相続税の増税(案)では、非課税対象となるのが、法定相続人から「法定相続人のうち『生計を一にする者』と未成年者、障害者」に限られる、とされています。
※この「生計を一にする者」とは、 必ずしも同居を要件とするものではなく、例えば、勤務、修学、療養等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
今回の相続税の増税(案)が成立した場合、例えば、相続人が配偶者と子供3人の場合で、子供3人が既に成人しており、生計が別であれば、500万円のみが非課税となります。
相続税の増税 その3
相続税率の変更
今回の相続税の増税(案)では、相続人ひとりあたりの相続税の課税標準額が2億〜3億円の場合と、6億円を超える場合、それぞれ相続税率が5%アップとなっています。
平成23年度税制改正大綱
(平成23年4月からの改正が見送られた相続税の増税案)
第3章 平成23年度税制改正
3.資産課税
(1)相続税・贈与税の見直し
相続税の課税ベース及び税率構造について、次の見直しを行います。
イ 相続税の基礎控除
現行
定額控除 5000万円
法定相続人 1000万円に法定相続人数を乗じた金額
改正案
定額控除 3000万円
法定相続人 600万円に法定相続人数を乗じた金額
ロ 死亡保険金に係る非課税限度
現行
500万円に、法定相続人の数を乗じた金額
改正案
500万円に、法定相続人(未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限ります。)の数を乗じた金額
ハ 相続税の税率構造
改正案
税率
1000万円以下の金額 10%
3000万円以下の金額 15%
5000万円以下の金額 20%
1億円以下の金額 30%
2億円以下の金額 40%
3億円以下の金額 45%
6億円以下の金額 50%
6億円超の金額 55%
未成年者控除及び障害者控除を次のとおり引き上げます。
イ 未成年者控除
現行
20歳までの1年につき6万円
改正案
20歳までの1年につき10万円
ロ 障害者控除
現行
85歳までの1年につき6万円 (特別障害者については12万円)
改正案
85歳までの1年につき10万円(特別障害者については20万円)
(注)上記及びの改正は、平成23年4月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用します。
相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造について、次の見直しを行います。
イ 20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る贈与税の税率構造
改正案
税率
200万円以下の金額 10%
400万円以下の金額 15%
600万円以下の金額 20%
1000万円以下金額 30%
1500万円以下の金額 40%
3000万円以下の金額 45%
4500万円以下の金額 50%
4500万円超の金額 55%
ロ 上記イ以外の贈与財産に係る贈与税の税率構造
改正案
税率
200万円以下の金額 10%
300万円以下の金額 15%
400万円以下の金額 20%
600万円以下の金額 30%
1000万円以下の金額 40%
1500万円以下の金額 45%
3000万円以下の金額 50%
3000万円超の金額 55%
相続時精算課税制度の適用要件について、次の見直しを行います。
イ 受贈者の範囲に、20歳以上である孫(現行 推定相続人のみ)を追加します。
ロ 贈与者の年齢要件を60歳以上(現行 65歳以上)に引き下げます。
今回の相続税の増税(案)がこのまま成立した場合、これまで相続全体における相続税のかかる割合が4%程であったものが、その5割増しの6%以上にまで広がると予想されています。
また、これに先立ち、平成22年3月には、相続税の節税で最重要ともいえる小規模宅地特例の適用を大幅に縮小する改正が既になされていることから、この改正案が成立すると、首都圏に自宅があり、小規模宅地の特例の適用がない相続のケースでは、かなりの割合で相続税がかかってくることになります。
今後の法改正の動向については予断を許さない状況ですが、どのような状況になっても慌てることのないよう、事前の検討や準備はしっかりと行うことが大切だと思います。
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