事故物件の考え方や売却事例についてご紹介します。

 

「孤独死が発生した不動産は事故物件に該当し、値段が大幅に下がってしまうの?」、最近、そのような質問をよくお受けします。
おそらく、インターネットやTV・新聞からの情報により、そのような認識をお持ちの方が増えたことが原因だと思います。

 

また、単なる誤解や一定の思惑から、孤独死が発生した不動産を、「事故物件」として大幅に減額するようアドバイスする不動産業者も多く存在します。

 

 

しかし実際の取引では、一般に思われているほど、「孤独死が発生した不動産の価格は安くはなりません。

 

また、近隣住民からの「損害賠償等の問題も起きません」(当事務所の事例ではゼロです)。

このページでは、当事務所が実際に取り扱った数多くの経験から、当事務所における「実際の取引事例」や「事故物件の考え方」、「孤独死が発生した不動産の取扱い方法」などをご紹介いたします。

 

代表者 高良 実

第1 孤独死が発生した不動産の減額率

 

一口に「孤独死」といっても、その内容は様々であり、孤独死の事実が不動産価格に与える影響は、対象不動産の種類、発見までの期間、発見時の状態、近隣住民の周知の程度など、その内容によって大きく異なります。

 

当事務所は、司法書士・行政書士・不動産の免許を有しており、これまでに数多くの「孤独死が発生した不動産の売却」をお受けしてきました。

 

これまでお受けしてきたご依頼の中には、「死後数年経過して発見された土地建物」や、「7月に亡くなり、12月にDNA鑑定が完了したマンション」や、「死後数日で発見されたタワーマンション」や、「死後2ヵ月で発見され、その後1年間、清掃等がなされないまま放置されたマンション」など、実に様々なものがありました。

 

孤独死があった不動産については、事故物件に該当し「売れない」、「売れたとしても半値以下になってしまう。」との認識を持たれている方も多くいらっしゃると思います。

 

上記のとおり、当事務所では、これまでに数多くの孤独死が発生した不動産の売却をお受けしてきました。その経験からすると、実際の取引においては、一般に思われているほど孤独死が発生した不動産の価値は減少しませんし、孤独死が発生した不動産でも普通に売却することができます

 

当事務所でこれまでに取り扱ってきた実際の取引事例では、おおよそ以下のような減額率となっています。

 

@看取られた状態での自宅内での死亡
不動産の種類にかかわらず、減額率 0%

 

A築古(築30年以上)の建物で孤独死があった場合
※建物解体又は古家付土地として売却する場合
減額率 0〜5%

 

B築古(築30年以上)のマンションで孤独死があった場合
減額率 5%〜10%

 

C築浅(築10年以内)のマンション・戸建住宅で孤独死があった場合
減額率 10%〜15%

第2 孤独死が発生した不動産の取引事例

 

以下に、当事務所において取り扱った実際の売却事例を一部ご紹介いたします。
※個人情報保護のため、情報を一部変更しています。

 

 

孤独死の売却事例その1 土地

 

所在:千葉県の都市部、私鉄沿線から徒歩6分
種類:土地、所有権
状態:築50年の住宅にて所有者が孤独死。4年後に発見。
売却方法:建物を解体して更地として売却

 

減額率:約5%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、推定死亡時期から4年後に発見され、テレビ報道もされた事案ですが、古家を解体して更地で売却したこともあり、5%ほどの減額で売却することができました。

 

 

 

孤独死の売却事例その2 マンション

 

所在:神奈川県都市部、JR沿線から徒歩4分
種類:マンション
状態:築35年。部屋内にて所有者が孤独死。2ヵ月後に発見されたが、諸事情により発見から1年後に残置物撤去・清掃等が行われた。
売却方法:残置物を撤去のうえ売却

 

減額率:約13%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、警察による遺体搬送後、約1年間そのままの状態で放置され、臭いが管理組合で問題視されたことによりマンションの全住民がその状態を知ることになった事などから、13%程減額した上での売却となりました。

 

 

 

孤独死の売却事例その3 タワーマンション

 

所在:東京都23区内、JR沿線から徒歩5分
種類:タワ−マンションの上層階
状態:築10年。部屋内にて所有者が孤独死し、5日後に発見される。
売却方法:残置物を撤去のうえ売却

 

減額率:約7%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、死後5日後に発見され、臭いなどの影響は全くない状態でしたが、築浅の高額な物件であるため、結果的に7%ほど減額での売却となりました。

 

 

 

孤独死の売却事例その4 土地

 

所在:埼玉県都市部、JR沿線から徒歩10分
種類:土地、所有権
状態:築30年の建物内にて所有者が孤独死し、2ヵ月後後に発見
売却方法:建物を解体し、更地での売却

 

減額率:0%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、死後2ヵ月後に発見された事案ですが、建物を解体し、更地での売却であるため、土地の取引価格に対する影響は全くありませんでした。

 

 

 

孤独死の売却事例その5 団地

 

所在:千葉県、JR沿線からバス20分
種類:団地、所有権
状態:築45年の建物内にて所有者が孤独死。約3ヵ月後に発見され下の階の天井部分に染みができるなどし、一定の住民に知れることになった事案。
売却方法:特殊清掃、残置物撤去を行い売却

 

減額率:約10%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、階下の住民に被害が出た事案ですが、団地のリノベーションを多く手掛ける業者に10%程の減額で売却できました。

 

 

 

孤独死の売却事例その6 マンション

 

所在:神奈川都市部、私鉄沿線から徒歩8分
種類:マンション
状態:築47年。部屋内にて所有者が孤独死。7月に死亡し、9月に発見され、12月にDNA鑑定が完了して死亡者が確定。
売却方法:オゾン消臭、残置物を撤去のうえ売却

 

減額率:約13%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、真夏の暑い時期に所有者がお亡くなりになり、約2ヵ月後にドアの郵便受けからの臭いで発見されたが、腐敗がひどく2ヵ月間に渡るDNA鑑定によって死亡者が所有者であると確認された事案です。
DNA鑑定の完了後、マンション売却を含む相続手続の一切をお引き受けしたので、室内の状態を確認したところ、臭気がひどく室内に入れる状態ではなかったため、専門業者によるオゾン消臭を行い、その後、残置物の撤去、直接の汚染場所のフローリングを除去し、このような物件を取り扱うことのできる専門業者に売却しました。

 

 

 

孤独死の売却事例その7 ハイクラス マンション

 

所在:東京23区内、私鉄沿線から徒歩5分
種類:マンション、所有権
状態:築20年のマンション内にて所有者が孤独死。約3週間後に発見
売却方法:残置物撤去を行い売却

 

減額率:約7%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、資産家である所有者が自宅マンションで突然死し、約3週間後に発見された事案です。このマンションは都内でも有数の高級住宅街にある100u超のマンションであり、売却額もかなり高額になりましたが、購入者がフルリノベーションをするため、孤独死の事実についてはさほど問題とならず、無事売却することができました。

 

 

 

孤独死の売却事例その8 マンション

 

所在:東京都郊外、JR沿線から徒歩10分
種類:マンション、所有権
状態:築40年のマンション内にて所有者が孤独死。約2ヵ月後に発見
売却方法:特殊清掃、残置物撤去を行い売却

 

減額率:約13%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、夏の暑い時期に所有者がお亡くなりになり、約2ヵ月後に発見された事案です。残置物撤去後も臭いが残っていたため、汚染場所の除去及びオゾン消臭を行った上で、孤独死物件を扱うリノベーション業者に売却しました。

 

 

 

孤独死の売却事例その9 マンション

 

所在:東京都郊外、私鉄沿線から徒歩12分
種類:マンション、所有権
状態:築50年のマンション内にて所有者が孤独死。約1週間後に発見
売却方法:残置物撤去を行い売却

 

減額率:約6%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、自宅内で持病のため孤独死し、約1週間後に発見された事案です。お亡くなりになった時期が秋であり、室内の臭いなどもほとんどなかったため、6%ほどの減額で売却することができました。

 

 

 

孤独死の売却事例その10 土地

 

所在:千葉県郊外、私鉄沿線から徒歩20分
種類:土地、所有権
状態:築60年の建物内にて所有者が孤独死。約1週間後に発見
売却方法:残置物撤去を行い売却

 

減額率:約0%

 

告知:行った。売買契約書及び告知書に記載。
コメント
本件は、自宅内で死因不詳にて孤独死し、約1週間後に発見された事案です。古家付土地として売出を行ったところ、購入者は古家を解体した上で建物を新築する予定であるため、減額ゼロでの売却となりました。

 

 

第3 事故物件とは?

 

不動産取引において、いわゆる「事故物件」とは、不動産の買主の判断に重大な影響を及ぼす事実、たとえば「殺人」、「自殺」、「火災による焼死」など、通常では起こり得ないような特異な事実が発生した不動産のことをいいます。

 

このような「特異な原因による人の死」が起こった不動産については、事故物件として、一定の減額がされた上で取引されることが多いと思います。

 

※但し、実際の取引では、事故物件であっても、用途やエリアによってはほとんど減額されずに流通することもあります。

 

では、孤独死が発生した不動産は「事故物件」に該当するのでしょうか?

 

結論から言えば、

 

孤独死が当然に事故物件に該当するということはありません。
 また、
一般に思われているほど、大幅に減額されてしまうこともありません。

第4 自宅で亡くなるということ。

 

いうまでもなく、人はかならず死ぬ運命にあり、人の死は日々、全国各地で発生しています。
ほとんどの方は、家族などの自分以外の誰かに看取られて亡くなりますが、一定数の方は、誰にも看取られることなく亡くなります。

 

孤独死の死因で多いのは、老衰、持病による病死、脳梗塞、心筋梗塞などのいわゆる自然死ですが、このような自然死が、居住している不動産において一定割合で発生することは当然に予想されること(いわば自然なこと)であると言えます。

 

※人口動態統計(令和元年)によれば、
@日本国民の死亡者数全体は約138万人であり、そのうち自宅での死亡者数は約18万人で全体の約14%を占めています。

 

A自宅での死亡者数約18万人から、不慮の事故や自殺・他殺を除いた、「自然死」は9割を占めています。

 

B自宅における死亡者数は、2000年以降増加傾向にあり、2000年が約13万人、2010年が約15万人、2015年が約16万人、2019年が約18万人となっています。

第5 人の死の告知に関するガイドライン

 

不動産取引における人の死の告知に関して、令和3年10月、国土交通省によりガイドライン(宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン)が策定され、死亡の告知に関する一定の基準が示されました。

 

以下に、当ガイドラインにおける、「売買」の際の「死亡の告知」に関する概要をご紹介します。

 

【原則】
原則として、宅地建物取引業者は、人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならない。

 

 ↓

 

【告げなくてもよい場合】
@対象不動産で発生した「自然死」・「日常生活の中での不慮の死(転落死・誤嚥など)」
A対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した事故等による死(自然死や不慮の事故以外の死)。

 

※事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案は告げる必要がある。
※上記@〜A以外の場合は、原則として告げる必要がある。
※買主から事案の有無について問われた場合や、買主において把握しておくべき特段の事情がある場合は告げる必要がある。
※自然死や不慮の死であっても、長期間にわたって放置されたことに伴い、特殊清掃や大規模リフォーム等が行われた場合においては、「必要に応じて」これを告げる必要がある。

 

 

 

第6 国土交通省ガイドラインによる解説(4.(1))

 

老衰、持病による病死など、いわゆる自然死については、そのような死が居住用不動産について発生することは当然に予想されるものであり、統計においても、自宅における死因割合のうち、老衰や病死による死亡が9割を占める一般的なものである。

 

また、裁判例においても、自然死について、心理的瑕疵への該当を否定したものが存在することから、買主・借主の判断に重要な影響を及ぼす可能性は低いものと考えられ、居住用不動産において過去に自然死が生じた場合には、原則として、賃貸借契約及び売買取引いずれの場合も、これを告げなくてもよい。

 

このほか、事故死に相当するものであっても、自宅の階段からの転落や、入浴中の溺死や転倒事故、食事中の誤嚥など、日常生活の中で生じた不慮の事故による死については、そのような死が生ずることは当然に予想されるものであり、これが買主・借主の判断に重要な影響を及ぼす可能性は低いと考えられることから、賃貸借契約・売買取引いずれの場合も、自然死と同様に、原則として、これを告げなくてよい。

 

 

上記のとおり、国土交通省のガイドラインによれば、孤独死による不動産は、原則として「事故物件には該当せず、これを告知しないでよい」と示されています。

 

 

※但し、当事務所においては、トラブル防止の観点から、孤独死の事実は事案の内容にかかわらず全て告知をしています。

 

 

以上、孤独死が発生した不動産について知っておいて頂きたい事項をまとめてみました。

 

孤独死が発生した不動産の取り扱いについては、メディア・不動産業者・専門家・一般の方々の間で情報が錯綜しており、何が正しい情報かを掴むことが非常に困難だと思われます。そのため、できるだけ実際に即した形で情報をご紹介しました。

 

当HPの情報が、(親族の孤独死などで)お困り方々の助けになれたら幸いです。

 

当事務所では、お電話や面談での相談を随時行っています。お困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

代表者 高良 実

孤独死の遺産相続サポートのご案内

当事務所では、孤独死の相続について、戸籍の取寄せ、室内の立ち入り調査、財産と債務の調査、各財産の相続手続き、家屋内の残置物処理、孤独死が発生した不動産の売却まで全てサポートしています。


費用については着手金を含めて全て後払い(相続預金や不動産売却代金からのお支払い)となっています。


孤独死が発生した不動産は、解体やリフォームをせずに売却することも可能です。
※通常は解体やリフォームをせずに売却しています。


お困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。


代表者 司法書士・不動産コンサルタント 高良 実


手続の内容 費用
1.相続に関するご相談


2.費用のお見積り

3.建物内への立ち入り調査

4.戸籍謄本取寄せ

5.財産調査
  債務調査(信用照会)
  遺言調査 

6.財産目録の作成
  遺産分割協議書の作成

7.不動産の名義変更
  預金の払戻し
  株式の売却・払戻し

8.各相続人への分配
  清算書の作成・送付


【下記は必要に応じて行います。】  
・不動産の売却
・自動車の売却
・限定承認手続
・賃貸住宅の明け渡し
・税理士の手配など


平均的な期間 6ヵ月間

費用は事前にお見積り致します。
相続人の中に外出ができない方や、遺産分割協議書に署名できない方がいる場合でも手続可能です。

報酬には遺産分割協議書の作成も含まれています。
着手金は不要です。(お支払いは手続完了後に相続財産からのご清算となります。)
費用は事前にお見積りいたします。ご依頼はお見積りを確認の上ご検討ください。


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